精神科実習と聞くと、多くの学生は一般科の実習と全く違うのではないか、と身構えてしまうかも知れません。しかし精神科病棟は決して特別な場所ではなく、当然、精神疾患をもつ患者様も、決して特別な存在ではありません。
実習指導ではできるだけ現場の看護師と触れ合えるように計画し、学生には看護師の実際の援助を見て、患者さまの反応を引き出し、感じられるように支援するということの意味を学んでほしいと考えています。知識は学校でも学べますが、自分の援助に対する反応を体感するというのは臨床現場でしか学ぶことができません。ですから、出来るだけベッドサイドで患者様に触れ合う時間を増やし、その関わりの中で、看護の楽しさや喜び、達成感をたくさん味わってもらいたいと考えています。
そのためには、出来るだけ患者様のことを知ろうという努力をしてほしいと思います。患者様のことを知れば知るほど、必要な援助がいくらでも見えてきます。そしてその援助を提供することで患者様からよい反応を頂くことができ、看護の喜びや達成感につながるのです。学生の記録に残る看護師ではなく、記憶に残る看護師でありたいと願いながら実習指導に臨んでいきます。